自民党の総裁選に期待するしかないのか?
ご存じの通り2017年都議会議員選挙では、自民党は獲得議席数を半減、23議席と過去最低に至る大敗を喫しました。そのような結果をもたらしたのは、自民党が悪いからではありません。安倍晋三という個人の資質に問題があり、国民からの信頼が大きく後退しているのが原因です。森友学園問題、加計学園問題とつづけさまに起こった疑惑に、安倍晋三がまともに正面から答えようとはせず、官邸の圧力で霞ヶ関からの内部告発を封じ込めようとした姿を、国民はしっかりと見ていました。それが選挙の結果に大きく影響を与えています。
森友問題も加計問題も、安倍晋三個人に起因する問題です。逆風は自民党に向かって吹いたのではなく、独裁をつづける安倍政権に向かって吹いていたのです。それが証拠に、自民党候補者からは選挙期間中「あなたに街頭演説されると落選するから応援演説にこないで下さい」とばかりに軒並み応援を断られ、唯一彼が街頭演説をした秋葉原でも大ブーイングが巻き起こりました。安倍晋三という総裁の存在が、自民党全体の人気にとってマイナスの作用しか及ぼさないことを、如実に物語っていると言えるでしょう。
2018年9月に自民党の総裁選がありますが、今や泥舟と化した自民党が、それまで持つのでしょうか。船頭が具合が悪くなったなら、速やかに誰か他の人に交代するべきです。僕は自民党の議員すべてが安倍晋三のような傲慢な人物だとは思っていません。自民党議員の中にはリベラルな人、人権を尊重する人、平和を希求する人、いろんな議員がいて、党内で自由闊達に議論をし、活発な活動をしていると信じています。名前の通り自由で民主的な自由民主党であって欲しいと心から願っています。しかし安倍晋三は、自民党内でも言論統制をし、ファシストの様相を呈しているようです。
2017年都議選後、自民党の後藤田正純代議士は、自らのフェイスブックにこう綴っています。
私も都議選の応援には、何日も何ヶ所も行きました。
その際、私は必ず最初に安倍政権、自由民主党についての、現在の問題点と反省を包み隠さず述べて、その後には、外交や安全保障、経済や金融などの、安倍政権の成果に理解を求める街頭演説をしてきました。私自身が、自由民主党執行部はおかしくなってると感じたのは、私の安倍政権の反省についての街頭演説が、安倍批判をしたと、党幹部に伝わり私にクレームがきたこと。
石破さんは私に対して、私の挨拶は当然だと擁護して頂いたが、このような密告、引き締め、礼賛、おかしな管理をしている、今の自民党執行部をみると、結果は仕方ないと思わざるをえません。
なんと安倍政権の執行部は、自民党内部でさえも、安倍政権の問題点を認めることや反省すること、批判することを禁じていたというのです。僕はかねがね安倍晋三が日本の官僚を私物化し、国会を私物化し、司法さえも抑え込んで、一人で三権の長となるファシズムの傾向があると書いてきました。実際には、それに加えて自由民主党という政党をも私物化しようとしていることが発覚したのです。
それを知って、これは内閣改造くらいでは済まされないぞ、と思いました。未確認情報ですが、安倍首相は自民党の支持率を回復させるために、国民的人気の高い小泉進次郎代議士を入閣させようと打診したが、小泉氏はそれを辞退したということです。安倍晋三と心中する気はない、という意思の表れでしょう。自民党執行部はそんな一時しのぎの戦略を考えている場合ではないと思います。速やかに自民党総裁選を行うか、さもなくば総理総裁を引責辞任して解散総選挙で民の声を聞くべきでしょう。歴代自民党政権が行ってきた政治とは、まったくかけ離れた政治手法をとっているのですから。
残念ながら安倍晋三は、身内である自民党の国会議員の声さえ封殺するような人物です。ましてや国民の声など聞く気はさらさらないでしょう。安倍、菅、麻生、二階、彼らに自分たちが裸の王様だと気づかせるには、国政選挙で大敗するか、自民党内部で勢力を失うか、そのどちらかしかないように思います。国政選挙で大敗するのは、自由民主党の名前に傷がつきますし、そもそも受け皿として台頭してくる政党がろくなものではない可能性があります。例えば都議選で圧勝した翌日には手のひらを返すように、党の代表を右翼の野田数氏に交代させ、都民をガッカリさせた小池百合子都知事のようなポピュリストであるかもしれません。
公明党は一定の組織票を持って政局のキャスティングボードを握りたいだけ。共産党も一定の固定ファンに強力に支えられているものの、国政を任せようとする浮動票が動くことはありません。唯一中道リベラルとして、かつて政権を担うくらい期待を集めた民進党も、与党時代の失政(実は失政と言うほど失政でもなく、景気が上向かなかったのと、3.11の発生、消費税増税の断行くらい)という悪い印象と、その後の長引く内紛といった状況を打開できず、人気は一気に凋落しました。やはり日本の国政を任せられるのは自由民主党しかない、しかし安倍首相は信用できない、といったアンビバレンツな心境に現在の国民は陥っています。
そう考えると、自由民主党内部で自浄作用が働き、総裁をはじめ党執行部を総取っ替えしてくれることに期待するしかありません。僕は自民党内部の政局について詳しくないので、どういう方法があるのかはわかりません。どんな方法でもかまいません。自民党改革を断行して下さい。
2017年9月18日追記:
7月4日の段階では、このような悠長なブログを書いていましたが、10月22日もしくは29日に衆議院の解散総選挙という展開になってきました。自由民主党内部の自浄作用などと、気の長い話をしている場合ではありません。このまま「自由民主党執行部はおかしくなってる」状態のまま、国民が選挙でそれを追認してしまうと、日本という国は取り返しのつかない事態になります。安倍晋三のファシズムに禊ぎを与えることになり、党内の「おかしな管理」も含めて、もはや誰にも止めることのできない、おかしな国家へと突き進むしか道はなくなります。
今こそ全ての選挙区の国民、全ての政党の代議士が党派を超えて一体となり、おかしな国家をまともな国家に軌道修正すべく、大胆な改革の決断をするラストチャンスです。僕の提案は「本当に優秀な政治家により自由と民主主義を取り戻す」というごくシンプルなものです。いわば古き良き自由民主党時代の保守本流の精神ですが、それが安倍晋三によって別物に作り替えられてしまっている現状を、今こそ打破すべきではないでしょうか。今の安倍政権は、本来の自由民主党の本流ではありません。とんでもない亜流ですし悪質です。決して続投させてはいけないと思います。
大胆な改革の決断とは、ズバリ実力のある自由民主党の良識派が大きく舵を取るしかありません。安倍政権という泥船に見切りをつけ、同じく泥船となった民進党で実力を持て余している保守本流と組んで、新しい政治の枠組みを作ることです。この短い期間にそんな大規模な改革が実現するのか。理想でしかないのでは、と思うかも知れませんが、政治は一夜にして変わります。そして志を同じくする者同士は一瞬でチームを組むことができるはずです。それは中身の無い、なんとかファーストの会などとは全く逆です。野党の寄せ集めでもだめです。所属政党に頼らないで自力で当選できる、実力者同士の大同団結のみができることです。
所属政党に頼らないで自力で当選できるレベル、となると限られてくるかも知れません。さらに新党のラフスケッチがさっと描ける人物となると、より限られてくるでしょう。資金もブレーンも最低限は必要です。決して誰にでもできる仕事ではありませんが、自民党内部の自浄作用に期待できないとなると、大なたを振るう覚悟が2017年秋の総選挙には求められていると思います。泥船と泥船しか選びようがない現状ですから、まともな新造船が現れれば、国民はそれに乗るでしょう。正直言って短期決戦ですが、日本の未来をつなぐために、ニュー・リーダーの登場に一縷の希望を託します。
2017年10月10日追記:
本日第48回衆議院議員総選挙が公示されました。僕が「ニュー・リーダーの登場に一縷の希望を託します」と書いたニュー・リーダーとは、ハッキリしておきますが、小池百合子代表の「希望の党」ではありません。どうぞお間違えのないように。その理由については衆議院解散後、公示日までに僕が書いた二つのブログ、「希望の党」は安倍政権の援護射撃をする新党だった、そしてもう一つ、小池百合子の野望と誤算、をお読み下さい。
小池百合子氏がいかにとんでもなく国民と候補者を欺く人物なのか。また「希望の党」には国民にとっての希望はなく、反安倍勢力の票を拾って、安倍政権を支援するために作られた政党であることが、よくわかると思います。今のところ僕が期待するニュー・リーダーは現れていません。ただ言えることは、ここで自民党にお灸をすえておけば、少なくとも安倍晋三総裁の退陣を求める声が上がり、首班指名に別の首相候補を指名するという、政権の改革を期待することが、かろうじて可能だと言うことです。
我々一般国民が自民党にお灸をすえる方法とは、枝野幸男氏が設立した「立憲民主党」をはじめとする、野党(共産党、社民党)に投票すること以外にない。そう断言するほど、状況は切迫しています。昔からの自民党支持者だった僕を、ここまで追い込んだのは、ひとえに安倍晋三の独裁政権にストップをかけたい。自民党に党内改革をして欲しい。その一念です。
安倍晋三は過半数の233票を取れればOKという、実に甘い勝敗ラインを打ち立てています。もともとの議席数が多いので、総選挙で大敗して議席数を40減らしても、負けを認めたり責任を取ることはせず、総理総裁の座になんとしてもしがみつく構えです。自由民主党の皆さん、そのような執行部のままで良いのでしょうか。早く手を打ってくれないと、僕のように自民党に「お灸をすえる」ために野党に投票する人が続出するかも知れませんよ。危機感を持って下さい、そして党内改革をする勇気を持って下さい。
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