「存立危機武力攻撃」ってなに?
国会では集団的自衛権を行使できる法制化が進んでいますが、またまた新しい用語が出てきました。4文字熟語だった「新三要件」もウィキに載ってなくて苦労しましたが、今度は8文字熟語です。我が国の「存立危機事態」における「武力行使」のことですが、なんともわかりづらいネーミングです。国民を煙にまこうとしているのか、とさえ疑いたくなる、難解さです。
これまでも武力攻撃事態対処法がありましたが、それを改正するわけです。つまり今までは外国から「武力攻撃を受けた場合」を想定した法律だったのですが、新しく変わると「存立危機になる場合」ということになります。存立危機自体とは、かつての周辺事態特措法より広い範囲に適用されます。周辺事態、では地理的概念と混同するから、と国会で説明していましたから、「存立危機事態」とは、地理的概念に縛られないことになります。つまり何らかの外国の行為によって、日本が今までどおり暮らしていくことが困難な状態に成った時(例えば、中東から石油が入ってこなくなった時)などにぶっ放せるようになるわけです。
ニュースを聞いても、まだスッキリしません。NHKの17日のニュースによると、
また、公明党が歯止めとして盛り込むよう求めていた、新3要件のうちの、「国民を守るために他(た)に適当な手段がない」という要件については、事態が発生した際に政府が定める対処基本方針の中に、「他(た)に適当な手段がなく、武力行使が必要な理由」を記載するよう定めるとしています。
さらに、政府は、公明党が「政府の答弁などを的確に反映した法制」にするよう求めていることを踏まえ、これまでの国会答弁に沿って、「存立危機事態」に当たるかどうかは、「武力を用いた対処をしなければ、わが国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻な被害が国民に及ぶかという観点から評価」するとしています。
ということですが「政府の答弁などを的確に反映した法制」ということですから、国会中継を見てなかった一般の国民は、国会の議事録まで調べなければ、完全には理解できません。また「武力攻撃を受けた場合と同様な深刻な被害」というのも、いまひとつピンときません。そこんところ、ちゃんと噛み砕いてみんなが理解し、議論をしなきゃいけないツボなんじゃないのか。このまま難解なまま、スーッと安保法制が出来上がっちゃていいのか。後からどうにでも解釈できる表現を使っていていいのか。
具体的にはどんな状況の時、自衛隊員は引き金を引くべきなのか、自衛隊員にだって判断がつきかねるような表現で、彼らもきっと困るだろうなあ、とモヤモヤ気分がどうしても抜けないのでありました。
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ysugie
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これは関連する法案が可決されるはしから、憲法解釈の裁量権の逸脱があり憲法違反という訴訟を起こして決着つけるしかなさそうです。憲法解釈の最終権限が最高裁判所にあることを思いだしてもらわねばなりません。
表題の8文字熟語は、「小遣いなし(経済封鎖)とかしたらキレるぞ」と不良息子が家族の中で息巻いてるみたいなもんですね