「新3要件」は何故こんなに解りにくいの?
今日の衆議院予算委員会では丸一日中、100回以上も安部首相をはじめ多くの議員の口から「新3要件」「新3要件」と出てくるので、気になって仕方がなかった。よーするに今回安倍内閣が閣議決定を通した、集団的自衛権の容認に際して守るべき自衛のための「武力の行使の新三要件」という意味だが、とにかく解りにくい。たった数行の文言なのに予算委員会を一日全部尽くしても説明しきれないというのは、よくよくのことであり、異常なことでもあると思います。
以下に内閣官房がネット上に発表している「新三要件」の全文を引用しておくので、パッとひと目で見て理解のできた人は、ぜひコメント欄にわかりやすい池上解説風に書いて教えて下さいませ。
- 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
- これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
- 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
二番目と三番目はいい。僕でも理解出来ました。問題は一番目の文章であります。およそ日本語の文章として、与党会談でじっくり時間をかけて自民党と公明党がせめぎ合って練り上た文言にしては、いかにもギコチナイ文言に仕上がっています。これで先日の7月1日に閣議決定したというのだから、首をかしげざるを得ません。
僕の日本語読解能力が低いからでしょうか。もちろんそれは認めますが、それにしてももうちょっとマシな表現はなかったのでしょうか?国会では各議員がパネルまで持って一言一言丁寧に説明していた。安部首相は国際法と我が国の憲法第9条を考えてこのように決めたと説明していたが、国会中継を見ていた僕はますますわからなくなった。この話をしている最中に、ホルムズ海峡での機雷掃海作戦の話が出てきたからだ。目が白黒してしまいました。この文言をどのように行間を読めば、ホルムズ海峡の話が出てくるのでありましょうか?
まったく意味がわかりません。ここまで解りにくいと僕は被害妄想に走ってしまうのであります。もしかして一般の国民にはあえて理解できないようにしておいて、密かに何かを企んでいるのではないか。邪推してしまうのです。このギコチナイ文言からはそのような匂いがプンプン漂ってくるのであります。読解力の低い僕ですが嗅覚は意外に鋭いのです。
「由らしむべし知らしむべからず」といった愚民化政策は、僕は最も戦うべき対象だと思っています。日本人が政治オンチのままにさせられて、世の中で何が起きているかも知らされず、時の為政者が好き放題やり始めたら民主主義はおしまいです。だから政治を政治家任せにするのではなく、少しでも多くの人に身近に感じてもらえるようなボランティアもやっています。みんなで政治のことを考えられなきゃ世の中まずいからです。この件に関する前回のブログ「集団的自衛権の強行は歴史に禍根を残す」や前々回のブログ「持っているのに使えない集団的自衛権って?」とともにぜひ考えてみてください。
皆さんは今回、この文言を見てどんなことを感じましたか?
ysugie
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ややこしくしているのは、安倍首相が嫌がった「どこで?」が入っていないことでしょう。
日本の領海領空、あるいは排他的経済水域など国際法上認められた日本の施政権が及ぶ範囲とすれば、ずっとわかりやすくなります。
「どこで」を明記すれば縛りは一気に強まり、ほぼ個別的自衛権とイコールになることは明白で、「集団的自衛権」は「日米安保条約の双務同盟」化であるということになります。
そしてここが、官邸サイドが嫌がった要点であろうと思います。
まあ今日の段階では、まさに衆議院予算委員会でこの件について討論中なので、しばらくようすを見てみましょう。すばらしくわかりやすい説明を安倍首相ができるかもしれないではないですか。
まだ、その可能性が残されている限り、結論を出すのはまだ拙速と言うべきでしょう。