愚者は賢者より学び、賢者は愚者より学ぶ
この5月3日水曜日に日テレ・朝日系で夜9時から放送される「池上彰くんに教えたいニュース」はちょっと楽しみだ。はっきり言ってファンクラブの管理人を引き受けている僕でさえ、池上さんの一方的な解説番組にはちょっぴり食傷気味。(ごめんなさい、池上さん)。
そんな折に、この番組は一服の清涼剤になりそうな予感がしています。池上さんだって「知の神様」なわけじゃない。僕は池上さんが43歳のNHK科学文化部の記者だったころから、「週刊こどもニュース」を一緒に立ち上げ、8年間を苦楽を共にしたからよく知っている。まあここでは言わないけど。池上さんは「スポーツと梨園は僕の範疇外」とよく言っていた。知らないことだっていっぱいあって当然だ。池上彰ブランドが「神」扱いされては危険な兆候だと僕は思っています。でも池上さんなら謙虚に耳を傾ける姿勢を持っていることも知っています。
あ、言いたかったことはそれではなかった。ようするに、
「池上彰はいかにして池上彰になったか」
という謎を紐解いていくと、池上彰を学ばせたのは「週刊こどもニュース」の子役たちであり、総理大臣の名前を訊いても答えられないようなレベルの無知で無垢なこどもたちこそ、今の池上彰を作り上げた先生だったのだ。ということを言いたかったのです。解る人に解らせるのは容易い。解らない人に解らせることこそテクニックが必要だということを、池上さんはこどもたちからぶつけられる素朴な疑問から学んだのです。
そんなことを考えているうちにふと思い出したのが、タイトルのことわざでした。けっこう気に入っていることわざです。
ysugie
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ほとんどの人間は自分の失敗から学ばず、同じ失敗を繰り返す。まして他人の失敗からは学ばない。失敗する他人こそ「愚者」であり、失敗から学ぶ人こそ「賢者」。自分がいかに何も知らないか知っている。
何度、渋滞最後尾で追突が起きるか報道されても、追突でつぶれるのが軽自動車であることがわかっても、事故は起きるし、軽自動車は売れる。
国も自動車メーカーも知っているのに知らんふりで、みんなドライバーという「失敗から学ばない愚者」のせいにして何も学ばない。
それゆえ、愚者とは他人に責任を押しつけて自分のケツを拭かないやつ、事象から簡単に自分を除外できる(自分が事故に巻き込まれることを想像していない)人間と言い換えられる。
そして賢者は、事象に必ず自分を含め(自分が他人の事故に巻き込まれ、自分も加害者になり得ると自覚している)、いつでも自分のケツばかりか他人のケツまで拭く「覚悟」がある人間と言えるかもしれない。